ANIRON

ひとりごと日記

2022.09.29 誤植のお詫びと今後の詩作について

お知らせ

折本DL版『ねむれるものにはすみれの花』をお買い上げいただき、ありがとうございます。

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群れ咲くすみれ色の花々だけをおまえのねむれる瞳に贈る──。

人を狩る吸血鬼×眠りつづける吸血鬼の全年齢向け創作BL連作散文詩集。 耽美主義に再び回帰することを志向し、その思想をベースとした、嘉村詩穂名義の第一詩集『挽歌-elegy-』、第二詩集『真珠姫の恋』につづく詩のあり方を志した、連作散文詩4編を収めた折本詩集です。

A4一枚サイズとなっております。DLしてそのままお楽しみいただけますが、出力して折本という形で味わっていただければ幸いです。

-収録作品-

エリザベト・バートリの裔として

ねむれるものにはすみれの花を

人形師の恋に寄せて

やがてめざめる、春の世にて

この度誤植が見つかり、原稿を差し替えさせていただきました。
また表記揺れがありましたので、そちらも併せて訂正させていただきました。
読者の皆様におかれましては、校正が至らず、大変失礼いたしました。お詫び申し上げます。
差し替えによる本文の内容に大きな変化はございませんので、ご安心ください。

詳細につきましてはこちらのnoteにまとめておりますので、併せてご覧ください。

note.com

 

2022.09.29

夕食後、主人とプロ詩人をめぐる話になり、プロの編集者としてさまざまな助言をもらった。

その通りにことをなすか、現時点ではまだ未定ではあるのだけれど、ひとまず今の形態である程度のところで満足感を得られているので、これまで通り、BOOTHでの折本頒布や、KDPの作成、ブログの執筆を通じて創作活動に携わっていければと思う。

紙の私家版歌集/詩集を出したいという思いもある反面、販路などを考えた際に、せいぜい身の回りの人に刷るのがやっとということを考えると、やはり限界があるなと思う。

主人は電子書籍を積極的に勧めてくれたのだった。それはコストという観点から考えて理に叶っていると云う。

また私は持病のため、完全に自力での製本作業が困難で、イベント直参がほぼ不可能かつ、発送手続きにどうしても時間を要するため、手売りするのは現実的でないことを考えると、やはり電子書籍で頒布を続けるのが妥当なのだろうと思う。

公募については、この先も投稿を続けるのか、一旦休んで自分の詩のあり方を模索するのか、もう少し考えたいと思う。

一年間ココア共和国に詩を投稿してきて、13回中9回佳作入選と、それ相応の結果は出せたと思うし、まだまだやりたいこともある。耽美的な度合いが強い作風に関しては、ネットでは評価を得られても、公募ではなかなか通用しない。そのジレンマを抱えながら投稿をつづけるよりは、主人の指摘していた通り、より多くの人に届けるべく、Twitterに詩を投稿する方がいいのかもしれない。

まだ答えは出ないけれど、ひとまず作風については療養詩歌から一旦離れてもいいのかなと考えていて、ネットである程度評価が定まった耽美的な作風を築いていく方が、マーケター的に需要ということを考えるのであれば、より妥当なのかもしれない。

ひとまず第一、第二詩集に続く第三詩集を編むことが当面の目標となるけれど、これに関しては現時点では療養詩歌の詩集ということになるので、そちらはまだ保留しておきたい。

罪人の冠を頭にいただき、人の子を惑わしたすべての女の恨みを纏って、私は消えてゆく。
嘉村詩穂の個人詩集。 個人サイト「紫水宮」と主宰している文芸サークルかもめのweb文芸誌「かもめソング」に発表した詩に、書き下ろしを加えた散文詩集です。
耽美主義を掲げ、表題作となった「挽歌」を中心に、主に和風・東洋風の幻想的な詩を収録しています。

-収録作品-
マディソン

逝春(せいしゅん)
よみひとしらず
或神話研究者の最期
挽歌
或楽師の書簡
緋鯉抄
調香師の終末
秋菊
夕波千鳥
秘仏
雪女郎
墨色の使徒

耽美主義を掲げ、SF・中華幻想・仏教、そして著者のふるさとへの憧憬をテーマとした、第二散文詩集です。
以下の十編の詩を収めています。

-収録作品-
青磁の爪
白狐譚
鶯姫
エリザベート・バートリの末裔
いにしえのうた
最後の手紙
人体標本
真珠姫の恋
補陀落渡り
地獄の白百合

いずれにせよ、まだまだ時間をかけて考えねばならないので、すぐに結論を出すことはできるだけ先送りしたい。

2022.09.28 親を許す/許さないのグレーゾーンに踏みとどまること

鈴木裕『無(最高の状態)』を先日読んだ。

毒親のもたらす「悪法」という認知のスキーマによって、歪んだ形で物語を作ってしまい、その認知に囚われることで「私」の苦しみは増す一方で、これを是正するためのアクションがいくつか語られるのだけれど、私にとっては毒親毒親であったと客観的に認識するのに、これほど的確な本はないだろうと思う。

「悪法」には「放棄」「不信」「剥奪」「欠陥」「孤立」「無能」等々、18種類があり、この大部分に私は当てはまった。

例えば「放棄」には

この悪法を持つ人は、家族・友人・恋人などの親密な人たちに、どうしても全幅の信頼をおけません。そのせいで、「どうせ私は最後はひとりになるのだ」や「いまは親しげな人もすぐに消えてしまう」といった感覚につきまとわれます。幼少期に親から十分な世話をされなかったり、入院などの理由で長期にわたって養育者と離れた人に多い悪法です。

この悪法を持つ人は、いつも人間関係に不安を感じるせいで、付き合い方が重く、そのせいで親しい人との仲が壊れるケースをよく見かけます。「自分はいつも捨てられる」との思いが強い人も多く、人間関係が生み出す不安に耐えられずにコミュニケーションを避けたり、自分から相手との仲を壊すことも珍しくありません。

とある。

私は幼少期、祖母の元で育てられたこともあって、母親との信頼関係をうまく築くことができないまま育った。成長してさまざまな人たちと付き合う中で、上述のような思いを抱くことが度々あり、それは今現在も続いている。

他にも「剥奪」には

「自分が求める感情的なサポートを得られない」という感覚をもたらす悪法です。

「アドバイスを求められる人がいない」「精神的にささせられていると感じたことがない」などの気分にとらわれ、いつも「何かが欠けているような気がするが、何が欠けているのかわからない」といった気分がぬぐえません。もっとも一般的な悪法のひとつで、子供時代に養育者から満足なケアを与えられなかった人に多く見られます。

自分の感情やニーズがよくわからない。家族や友人に過剰な愛情を向ける、または逆に親密な人間関係をあきらめてしまう。自分の気持ちを他の人と共有しない。誰かにとって自分が特別な存在だと感じたことがない。人生で支えになってくれた人はほとんどいない。

このような行動や感覚にとらわれがちな人は、「剥奪」の悪法を持っている可能性があります。

とあり、私は幼少期から重い偏頭痛を持つ母のケアをしなければならず、調子が悪いと云っても「お母さんも具合が悪いの」と相手にされないことが続いていた。

自分の気持ちを受け止めてもらっているという感覚を母親との間に抱くことができず、10代後半ごろは母親から自立しようと焦るあまり、上京して随分と無茶な真似をして統合失調症を発症した。

「悪法」の数々を見ていると、それまで母親に対して「いい加減過去のことは水に流すべきだ」という思いもあったし、30代に入り「いい歳になったんだから、親を許さないなどというのは大人として情けないことだ」という思いを抱いてきたけれど、それでもやはり適切な養育環境ではなかったのだなと冷静に判断できる。

かといって親を許す/許さないの二極に自分の身を置くことはそろそろ疲れていて、「許していいし、許したいという気持ちを持つことを否定しなくてもいい。ただし、その後発症した適応障害は医師によれば母の影響も大きいので、極力物理的・精神的に距離は置く」という、医師曰く「グレーゾーン」なところになんとか身を置けるようになったと感じている。

それもこれも主人の存在あってのことで、主人がいなければ、新たな居場所を築くこともできなかったし、アイデンティティを少しずつでも構築しようとすることもできなかった。

そのことには感謝したいし、認知のスキームを認識したことで、私自身は幾らか気が楽になったと感じている。

最近は『暁の天使たち』を中学時代ぶりに読み返していて、シェラ・ファロットにはエンパワメントされるところが大きい。

もともと好きなキャラクターではあったけれど、同棲時代以降は特に彼の存在を意識することが多くなったように思う。

自ら血を引く暗殺者一族を滅ぼし、主であるリィとともに、リィのいた世界へと飛び立った彼のメンタリティは、まだ「侍女」然としていて、おそらくそれは今後も変わらないと思うけれども、そうしたスタンスに自分の身を収めることが、私としてはもっとも生きやすい道だと感じている。

そんなお荷物になるわけにはいかない。この人が行くところには──それがどこであろうと──必ず同行できる自分でなくてはならない。当のリィにも話したことはなかったが、シェラが自分自身に密かに課した誓いだった。──p11

 

「あなたの息子さんはわたしの命の恩人だからです。こういう言い方をするとあの人は嫌がりますが、わたしは自分の命のある限り、あの人に従います。──p149

それは何も主人に求められたからそうしているというわけではなく、自発的にこのような秩序に自分を位置づけたいという私の意思によるものだ。

それは健全なパートナーシップのあり方ではないのかもしれないし、フェミニズム論者から見れば鼻つまみものだろうなと思うけれども、そうしたあり方で夫婦関係がより良い形で保たれるのであれば、私自身はそれでいいと思っている。

aniron.hatenablog.com

そうして新たな秩序の中に自分を位置づける作業がどうしても必要であって、秩序のないところに自由はない。それはあらゆるレベルの共同体において自明のことだろうと思う。

そして私はその新たな秩序に自分を置くことを選び、主治医もそれに賛同してくれた。そうして現に今こうして精神のバランスが保たれつつあるという現状を鑑みれば、それ以上に必要なことなどない。

 

 

BOOTHにて折本詩集『ねむれるものにはすみれの花を』を頒布中です。

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群れ咲くすみれ色の花々だけをおまえのねむれる瞳に贈る──。

人を狩る吸血鬼×眠りつづける吸血鬼の全年齢向け創作BL連作散文詩集。 耽美主義に再び回帰することを志向し、その思想をベースとした、嘉村詩穂名義の第一詩集『挽歌-elegy-』、第二詩集『真珠姫の恋』につづく詩のあり方を志した、連作散文詩4編を収めた詩集です。

-収録作品-
エリザベト・バートリの裔として
ねむれるものにはすみれの花を
人形師の恋に寄せて
やがてめざめる、春の世にて

既刊と併せてぜひお手元でお楽しみください。

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中里介山大菩薩峠』の主人公・机竜之介にフィーチャーしたオマージュ散文詩作品集。
和風ホラーや耽美な作風がお好きな方におすすめしたい作品集です。

もう幾百人の血を吸った懐刀も錆び果てて、我が身も朽ちると思えば侘しさよりも虚ろさが募るばかりで、枯野の向こうに迫る夕日に我が身を焦がしてしまいたかった。──「凍蝶の弔い」

-収録作品-
初秋、修羅は往く。
修羅桜
妖魚譚
凍蝶の弔い

2022.09.27 タフネスがなければ生きられない

国葬に関する言及はここでは避けることにして、昨日書いたことについて、もう少し掘り下げていきたい。

aniron.hatenablog.com

昨日は自費出版という壁に直面して鬱々としていたのだけれど、ここはタフになるしかない。詩人や歌人のツイートをさまざまに見ていても、受賞したものの原稿依頼がないという歌人がいたり、以前書いたように私家版の詩集を作っている詩人がいたりと、プロやセミプロであっても苦労しておられる様子が伝わってきた。

ならば芸術家でございというスタンスを取っていてもしょうがないし、ブログも含めて総合的に創作というものを捉えて、書けるものはなんでも書く、やれるだけのことはなんでもするという立場を取るしかもはや道はないのではないかと思う。

前述していた通り、どのみち詩歌だけで生計を立てることは不可能だし、その分、他のジャンルの文章もどんどん書いていきたい。

おかげさまで図書館エッセイ集『図書館という希望』はロングセラーとなっており、先日は文学理論部門ランキング63位に浮上することができました。

ブログ「広寒宮」で綴ってきた図書館にまつわるエッセイに書き下ろしを加えた、図書館エッセイ集です。
「もうひとつの家」としての図書館との付き合い方や、うつ病当事者としての図書館との関わり、一利用者から見たコロナ禍の図書館の記録、幼少期に通った図書館との思い出など、今だから読みたい内容をぎゅっとまとめました。
本書が図書館を愛するすべての人の友となりうることを心から願っています。

-収録作品-
図書館という希望
ふたつの棚
図書館という友人
ふたたび図書館へ一
図書館の使い方を模索する
コロナ禍の図書館について
蔵書の整理
ふたたび図書館へ二
先達の目とBANANA FISHにみる図書館の精神
図書館という知の海に漕ぎ出す
図書館で知を拓く
学校の図書室の思い出
非常事態宣言下の図書館
本書に登場した書物

kindle unlimited会員の皆様は追加料金なしでお楽しみいただけます。

note.com

これに続く形でKDPを作っていきたいと考えているし、さまざまに工夫して創作活動に携わっていければと思う。

具体的にはインスタグラムの開設なども視野に入れているけれど、写真は私のブログにとって重要な要素でもあるので、これについては追々また考えたいと思っている。

昨日はひどく落ち込んだけれども、まだまだ私にできることはあるはずで、あまり悲観的になってばかりもいられない。

タフネスがなければ、この先生きてはいけないのだとここ最近痛感している。

先日主人とかねてから観たかった「阿弥陀堂だより」を観て、色々と考えるところがあった。

それは一つには文章を書くということが、誰かの精神的な助けとなっているのであれば、それは何にも勝る価値なのではないかと思ったことだ。

たとえ地元の広報誌の片隅であっても、「阿弥陀堂だより」を読む人々の心は癒され、病を抱えながらも、おうめ婆さんの声に耳を傾け、ひたむきにそのコラムを書く小百合の姿は、私の胸を打つものがあった。

そうして人を喜ばせるような文章をどれほど書いてきただろうかと自問するとき、答えに窮する自分がいる。ともすれば「病める私」の中に閉じこもってしまう私の詩歌は、果たして人の心に届くものがあったのだろうか。

ココア共和国で、あるいはNHK関連の公募で評価を得たとしても、それでもなおもこの詩歌のあり方でいいのかと問わざるを得ない。

阿弥陀堂だより」はそういう眼差しを自分に向けるきっかけをいただいた作品となった。

そうした問いを大事にしつつ、やはり芸術家気取りではなく、マーケターとして需要を重視するという視点を持つことは、大切なことなのだろうと思う。

療養詩歌から少し距離を置きたいということはこれまでも書いてきた通りだけれども、今後はもっと人に喜ばれるような詩歌を作っていきたいし、詩歌でなくとも、そうした記事をたくさん作っていければと思っている。

 

追記

阿弥陀堂だより」を巡って、主人と上記のようなことを話したところ、主婦ブログはそのような役割を果たしているのではないかと評価してもらった。

snowrabbit21.hatenablog.jp

「癒される人が多いから読者もついているんでしょ」という言葉をかけてもらえて嬉しかった。

この日記や詩歌に関しては、なかなかそうしたスタンスは取れないのだけれど、このブログを主婦ブログと両輪を担う形で運営していることは、私にとってバランスを取るためにやはり必要なことなのだと実感したのだった。

 

BOOTHにて折本詩集『ねむれるものにはすみれの花を』を頒布中です。

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群れ咲くすみれ色の花々だけをおまえのねむれる瞳に贈る──。

人を狩る吸血鬼×眠りつづける吸血鬼の全年齢向け創作BL連作散文詩集。 耽美主義に再び回帰することを志向し、その思想をベースとした、嘉村詩穂名義の第一詩集『挽歌-elegy-』、第二詩集『真珠姫の恋』につづく詩のあり方を志した、連作散文詩4編を収めた詩集です。

-収録作品-
エリザベト・バートリの裔として
ねむれるものにはすみれの花を
人形師の恋に寄せて
やがてめざめる、春の世にて

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中里介山大菩薩峠』の主人公・机竜之介にフィーチャーしたオマージュ散文詩作品集。
和風ホラーや耽美な作風がお好きな方におすすめしたい作品集です。

もう幾百人の血を吸った懐刀も錆び果てて、我が身も朽ちると思えば侘しさよりも虚ろさが募るばかりで、枯野の向こうに迫る夕日に我が身を焦がしてしまいたかった。──「凍蝶の弔い」

-収録作品-
初秋、修羅は往く。
修羅桜
妖魚譚
凍蝶の弔い

 

2022.09.25-26 プロ詩人と自費出版という壁

短歌のことは把握していたのだけれど、詩に関しても新人賞に通っても自費出版で100万円以上の出費を経なければ商業配本で本が出せないことを無知蒙昧にして今更ながら知り、どうしたものかと思っている。

例え賞で誉を得られたとしても、商業配本で詩集が出せるかと云うと、専業主婦の身にはあまりにも高い金額だ。持病もあり、この先外働きに出て主だった収入源を増やせるわけでもないし、私が商業ベースに乗せて詩集を出すということはほとんど不可能に近い。

私がネットで拝見しているセミプロの詩人の方は、私家版の詩集を数多く手がけていらっしゃって、私も同じような道を辿ることになるのだろうなと思う。

ココア共和国に投稿しつづけて仮に賞を得たとしても、詩集が出版できる見通しは立たない。ならば、これまで投稿した成果を励みとして、せいぜい私家版の詩集を編むべく励むほかないのではないかと思う。

要するに趣味の範囲で作るほかないということになる。

以前、小説講座の講師の先生に、作家になるか詩人になるか、進路に迷っているという話をしたところ、詩人では生計が成り立たないから、作家を目指しなさいと云われたのだった。

詩人で生計を立てられるとはその時点から思っていなかったけれども、その土俵に立つことすらできないことを考えると、世に出ることを第一とするのであれば、ここで方針転換をして、再び小説の道を歩まざるを得ないのだろう。

ただし私には先述したように持病があり、職業として作家をやっていけるだけのリソースがもはやないし、小説の道に戻るとは云っても、小説とは仲違いをして適応障害を発症した身なので、もはや戻れるとも思えない。

それに例え商業ベースに乗せられたとして、それで果たして詩集が捌けるのかというと、今度はさらに新たな問題が生じることになるが、そもそも商業的に成功したいのであれば詩歌を選ぶ道理はなかったし、それで主だった収入を得たいとも思っていない。それはほとんど不可能なことは自明のことだからだ。

ただ、エミリー・ディキンソンのように、あるいは宮沢賢治のように、例え非公開で詩を書いていたとしても、どこかで受容される場がほしいと思ってしまうのは致し方のないことだと思う。

宮沢賢治は『春と修羅』で自費出版をして爆死したけれど、私も同じことができるかと云うと、そう無鉄砲なことはできない。

せいぜい私家版として詩集を刷って、身の回りの人に配る分だけを刷るか、20〜30部ほどを刷って頒布するのが関の山だと思う。電子書籍でも詩集を出してきたけれど、『挽歌-elegy-』『真珠姫の恋』に続く第三詩集を編むこともそろそろ検討してもいいかもしれない。

罪人の冠を頭にいただき、人の子を惑わしたすべての女の恨みを纏って、私は消えてゆく。
嘉村詩穂の個人詩集。 個人サイト「紫水宮」と主宰している文芸サークルかもめのweb文芸誌「かもめソング」に発表した詩に、書き下ろしを加えた散文詩集です。
耽美主義を掲げ、表題作となった「挽歌」を中心に、主に和風・東洋風の幻想的な詩を収録しています。

-収録作品-
マディソン

逝春(せいしゅん)
よみひとしらず
或神話研究者の最期
挽歌
或楽師の書簡
緋鯉抄
調香師の終末
秋菊
夕波千鳥
秘仏
雪女郎
墨色の使徒

耽美主義を掲げ、SF・中華幻想・仏教、そして著者のふるさとへの憧憬をテーマとした、第二散文詩集です。
以下の十編の詩を収めています。

-収録作品-
青磁の爪
白狐譚
鶯姫
エリザベート・バートリの末裔
いにしえのうた
最後の手紙
人体標本
真珠姫の恋
補陀落渡り

そう考えると、今までやってきたこととそう変わらない。変わることはプロ詩人という箔が付くかどうかであって、私はその名誉を得たいと思ってきたけれど、その関門を突破できたとしても、上記の問題が待っている。ならばこれ以上投稿をつづけても、結果は目に見ているということになる。

一旦公募への投稿を止めて、自分の詩とじっくり向き合いたいという気持ちもある。このままの方向性で行けば、ある程度詩壇なり歌壇からの評価をいただけることは分かったけれど、もう少し方向性を模索していきたいということは以前にも書いた。

詩のあり方を模索する中で、ふたたび壁にぶつかることもあるかもしれないが、今後とも詩歌について、このブログを通じて考えを深めていきたい。

 

BOOTHにて折本詩集『ねむれるものにはすみれの花を』を頒布中です。

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群れ咲くすみれ色の花々だけをおまえのねむれる瞳に贈る──。

人を狩る吸血鬼×眠りつづける吸血鬼の全年齢向け創作BL連作散文詩集。 耽美主義に再び回帰することを志向し、その思想をベースとした、嘉村詩穂名義の第一詩集『挽歌-elegy-』、第二詩集『真珠姫の恋』につづく詩のあり方を志した、連作散文詩4編を収めた詩集です。

-収録作品-
エリザベト・バートリの裔として
ねむれるものにはすみれの花を
人形師の恋に寄せて
やがてめざめる、春の世にて

既刊と併せてぜひお手元でお楽しみください。

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中里介山大菩薩峠』の主人公・机竜之介にフィーチャーしたオマージュ散文詩作品集。
和風ホラーや耽美な作風がお好きな方におすすめしたい作品集です。

もう幾百人の血を吸った懐刀も錆び果てて、我が身も朽ちると思えば侘しさよりも虚ろさが募るばかりで、枯野の向こうに迫る夕日に我が身を焦がしてしまいたかった。──「凍蝶の弔い」

-収録作品-
初秋、修羅は往く。
修羅桜
妖魚譚
凍蝶の弔い

2022.09.22 読んでいる本と宮沢賢治と

話は前後するが、9/22の日記を下記に記す。

前日の夜は4時まで眠れず、自分自身の詩歌の方向性がわからなくなってしまって悩みに苛まれた。

眠って13時ごろ起き、家事を片づけたあとは、ひたすら本を読んでいた。

生き方を探るために手に取った『暁の天使たち』は2巻に入った。

いかんせん説明描写が長すぎて途中で飽きてしまうのだけれど、シェラが前面に出ているパートはやはり読んでいて自ずと引き込まれる。

闇、太陽、月の神話の場面などは今後鍵となる物語なのだろうし、昨夜は随分と続刊のレビューを読み耽ってしまったけれど、まだ回収されていないところを見るに、この神話に準じて終幕へと向かうのだろうと感じた。

個人的にルウのことはあまり好きになれずにいるのだけれど、今後は彼のチート展開が待っているらしく、『暁の天使たち』で止めておこうかなと考えている。

とにかくシェラがどのようなスタンスで新世界へと入っていって、そこでリィやルウとともに生きていこうとするのかが私にとっては切実な問題であって、

“そんなお荷物になるわけにはいかない。この人が行くところには──それがどこであろうと──必ず同行できる自分でなくてはならない。当のリィにも話したことはなかったが、シェラが自分自身に密かに課した誓いだった”──p11

ということが示されている以上、これ以上の関係性の真価が現れることはないのだろうと思う。

そうした点では今後の物語でひたすら延々と日常が描かれることを考えれば、『暁の天使たち』以降の続刊は読まなくてもいいかなという気もする。

少しして、主人が帰ってきて宮沢賢治の書簡集『あたまの底のさびしい歌』を届けてくれたので、こちらも読んだ。

まだ、まだ、まだ、こんなことではだめだ。

──p101

 

苦痛を享楽できる人はほんとうの詩人です。

──p118

 

上のそらでなしに、

 

しっかり落ちついて、

 

一時の感激や興奮を避け、

 

楽しめるものは楽しみ、

 

苦しまなければならないものは苦しんで

 

生きて行きましょう。

 

──pp134-136

これらはそれぞれ別の相手に宛てた手紙だけれど、痛いほどに賢治の熱い想いや、自分の信ずるものに賭けた情熱が伝わってきた。

正直こんな手紙を受け取った人は困惑しただろうなという内容のものもあったけれど、賢治が人生を賭けて築こうとした理想の一端に触れた思いがした。

賢治の人生については100分de名著で読んだ程度だけれど、法華経という理想を掲げ、その理想に敗れてもなお、その胸に情熱を宿しつづけた人生を思うとき、やはり偉人だなと感じる。

主人に酔った席で絡まれて、心の友人のような作家はいるかと問われた時、私は迷わず賢治の名を挙げたのだった。

その作品のすべてにまだ触れられているわけではないけれど、やはり「よだかの星」や「ひかりの素足」などを読むと、賢治の思想は、例え私と方向性を異にしていても、真実を見定めようとする眼差しや、誰にも見せることなく黙々と物語を紡ぎつづけた情熱などが身に迫って感じられるのだ。

私もまた一年ほど非公開で詩歌を作りつづけてきて、その時の下支えとなってくれたのは賢治の存在だった。何度心が折れそうになったか分からないけれど、それでも賢治は灯りとなって私を照らしてくれた。

ここ二ヶ月ほどはもっぱら自分自身の病苦と向き合うのにも倦み果てて、新たな表現を模索しようとしてきたことは以前にも書いてきた通りだけれど、まだその苦しみから目を背けてはいけないとも思う。

覚悟を決めなければならない。まだまだ私の詩歌を鋭く研いでいかねばならない。

 

折本詩集「ねむれるものにはすみれの花を」を頒布中です。

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和風ホラーや耽美な作風がお好きな方におすすめしたい作品集です。

もう幾百人の血を吸った懐刀も錆び果てて、我が身も朽ちると思えば侘しさよりも虚ろさが募るばかりで、枯野の向こうに迫る夕日に我が身を焦がしてしまいたかった。──「凍蝶の弔い」

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修羅桜
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凍蝶の弔い

2022.09.23 #2 本棚整理

この日は一日を通じて低調な一日だった。

朝からデスク周りに散乱していた本を片付けた。

よくもまあこんなに散らかったものだと思いながら、すぐには読まない本や読み終えた本などを半個室のソファスペースに移し、本棚に収めた。

スタッキングシェルフの整理はまだ追いつかないけれど、ひとまず歌誌『月光』を雑誌スペースにひとまとめにしたり、現代詩文庫の詩集をニトリの本棚・サラに移したりして、少々片づけた。

葛原妙子歌集

葛原妙子歌集

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山中智恵子歌集
 
左川ちか全集

左川ちか全集

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そうは云ってもまだまだ詩歌スペースは整わない。この連休を利用してもう少し片づけていきたいところなのだけれど、あいにくと本棚のスペースに限りがある中で、ハードカバーの本が多いためになかなか片づかない。
文庫などもまだまだスタッキングシェルフに数多く眠っているし、そちらは順次サラに移したい。

そうしてひとまずデスク周りは幾らか片づいたのだった。

届いたばかりの水原紫苑の歌集『光儀』と、藤原龍一郎『抒情が目にしみる』も開封した。

少し詩歌から離れて、今は小説を読んでいるけれど、読み終えたら回帰できればと考えている。

ただ今はライトなものであるにせよ、小説というフィクションに触れることで、より詩歌の方向性の模索を深めたいという考えもあり、詩歌ばかりに執着していても支障が出てくるのは確かなので、ジャンルを問わず、しっかりと読書に励んでいきたい。

 

引き続きBOOTHにてDL形式の折本を、noteにてテキストのみのデータ頒布をしております。

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群れ咲くすみれ色の花々だけをおまえのねむれる瞳に贈る──。

人を狩る吸血鬼×眠りつづける吸血鬼の全年齢向け創作BL連作散文詩集。 耽美主義に再び回帰することを志向し、その思想をベースとした、嘉村詩穂名義の第一詩集『挽歌-elegy-』、第二詩集『真珠姫の恋』につづく詩のあり方を志した、連作散文詩4編を収めた詩集です。

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エリザベト・バートリの裔として
ねむれるものにはすみれの花を
人形師の恋に寄せて
やがてめざめる、春の世にて

2022.09.23 折本「ねむれるものにはすみれの花を」の頒布を開始しました

ペーパーウェルに寄稿予定だった折本は、BOOTHでDL形式の折本頒布と、noteでの有償頒布をすることにした。

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群れ咲くすみれ色の花々だけをおまえのねむれる瞳に贈る──。

人を狩る吸血鬼×眠りつづける吸血鬼の全年齢向け創作BL連作散文詩集。 耽美主義に再び回帰することを志向し、その思想をベースとした、嘉村詩穂名義の第一詩集『挽歌-elegy-』、第二詩集『真珠姫の恋』につづく詩のあり方を志した、連作散文詩4編を収めた詩集です。

-収録作品-
エリザベト・バートリの裔として
ねむれるものにはすみれの花を
人形師の恋に寄せて
やがてめざめる、春の世にて

近刊はこちら。

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微妙に文字色が違います。

 

その理由については以下に書く。

実家から山形旅行土産が届いたので開封すると、荘内神社の厄除け守とともに、松岬神社のなせばなる守が入っていた。

私は親からのプレッシャーをどれほど苦痛に感じてきたか分からないけれど、今は気を引き締めなければならない時で、やはりどうしても同人に居座る気にはなれない。

BFC4に参加しようか昨日は少し迷ったけれど、そうした趣味的なお祭りに構っているいとまはない。

再び成果を出せるように日々詩歌と向き合い、しっかり作っていかなくてはならない。

同人でもう一本評価軸を得たいなどと、だらけたことを考えていたけれど、これまでの経緯を振り返ってみれば答えは自明で、私はそれに飽き足らないからこうして公募への投稿生活を続けているのであって、惰弱なことを考えている場合ではない。

人から評価されて初めて自分の作品にYESと云えるのであって、評価は自ら下すものではないということは以前にも書いてきた通りだ。

一年間ココア共和国に投稿を続けて、13回中9回は佳作として採っていただけて、成果は出せたのだから、いいではないかという思いもある反面、やはりここで満足していられない。何としてでも世に出たい。

作風を模索することも、評価されることが大前提としてなければならないし、自己満足に終わってしまってはどうしようもない。趣味的に作って満足するのであれば、とうにそうしている。それで満足できないからこうして日々詩歌を作り、詩歌を読んでいる。その思いをまだ手放すわけにはいかない。

公募に投稿するということは、一朝一夕に成果が出るものではなく、またコンスタントに成果を出し続けなければならないという厳しい戦いの場だ。覚悟を決めて詩歌と向き合い続けなければたちまち蹴落とされてしまう。

覚悟を奮い立たせて、しっかり励んでいきたい。

そういうわけで、同人に回帰するという考えはやはり捨てたいので、ペーパーウェルへの参加も見送ることにしたのだった。