ANIRON

ひとりごと日記

2021.05.22 毒親から逃れられない桎梏

不全感が勝って3時半ごろ寝て10時に起きた。

私にしては明らかに睡眠不足だし、不全感が勝っているとなると、経験則から云ってうつの悪化はまず免れない。

結局なにも手につかない一日だった。

昼頃従姉妹の結婚式がYoutubeで限定配信されるというので観たのだけれど、正直前日になって「明日11時から配信します」と云われたことに複雑な想いを抱えてしまった。

まさか体調不良を理由に結婚式を観られないかもしれないと云うわけにはいかないし、到底断れる話ではない。さしさわりがないようにするには観るしかない。

晴れの場はおめでたいし、従姉妹も美しかったし、厳かな雰囲気の神前式で気が引き締まったけれど、前日の夜から「明日は起きられるだろうか」と不安になって、眠りも浅かった。

 

観たあとに従姉妹にひとしきり祝福のメッセージを送って、母からLINEが来て、私に対して結婚式の催促をされた。前撮りもすると良いとか、早く日取りを決めてもらわなければ困るとか。

正直なところ、私は結婚式なんて至極どうでもいいし、ドレスを着られまいが別にかまわない。

私に到底その資格があるとは思えないし、結婚式にまつわる何もかもが縁遠く思えてならない。

神前式の発祥はかなり時代が下って現代だとはいえ、一応大学で記紀神話を専攻していたので神前式ということになるし、白無垢を着られるのはうれしいのかもしれないけれど、正直なところ気が重い。

本当は昨年の秋に挙式する予定だったのだが、親族だけの式とはいえ、両家の親とも60代ということもあり、コロナ禍での挙式はいったん見送らざるを得なかった。それが悲しいともあまり思っていない。

正直なところ私は晴れの場があまり得意ではないし、日々の生活しか愛せない。

主人もそういうタイプなので、式場への連絡も延び延びになっている。

 

鏡花の「海神別荘」のような式ができるのならいいけども、それは毒親から隔たったところで執り行われる式であって、両親に感謝の意を伝えるものではないし、儀礼一辺倒だけの形式張ったものでもない。

海神別荘・他二篇 (岩波文庫)

海神別荘・他二篇 (岩波文庫)

  • 作者:泉 鏡花
  • 発売日: 1994/04/18
  • メディア: 文庫
 

 本当に「海神別荘」は理想的な結婚式だなとつくづく思う。毒親に手切れ金を渡して、絶縁を果たして、純粋な愛だけで結ばれる式だ。

鏡花があやかしにしか純粋な恋愛を遂げることができないという作品を描きつづけたのは、当時の封建的な家父長制に対するアンチテーゼであったと、鏡花の研究会のシンポジムで聴いたことがある。

結婚をして女が家に入った途端、それまでの恋愛は失われてしまうし、当時は自由な恋愛など許されてはいなかった。

その鏡花の描く理想は今もなお遠いのかもしれない。

学生の頃は鏡花があやかしたちの純粋な恋の物語を描きつづけたことに対して、そこまで理解が及んでいなかった。

それでもこうして結婚してもなお毒親から逃れられないことや、実家の親戚関係のさまざまな確執の愚痴を親にくどくどと云われるたびに、そういうものから自由になりたいと思ってしまう。

近代という時代にあってはその風潮はなおいっそう強かったことだろう。だからこそ人間では純粋な恋を成し遂げ、殉じることはできなかったのだ。あやかしなればこそ果たせたことだ。

学生時代はしょっちゅう読み返したものだが、今改めて『春昼・春昼後刻』や「天守物語」といった作品を読み返すと、また新たな心持ちになるのかもしれない。

話がすっかり長くなってしまったけれど、やはりこういうことはなかなかブログにしか書けない。Twitterに従姉妹の結婚式が云々と書いても、文章の総体は伝わらないだろうし、不名誉なレッテルを付され、ありもしない誤解されておしまいだろうと思う。

 

それからしばらくまともに動けないまま、合成スタジオで遊んでいたのだけれど、顔タイプエレガントという自分の似合う服や髪型が、おおよそ周囲の誰からも期待されないものだということをふたたび確認することになっただけだった。

ファッション雑誌に載っているような服にも、あるいは街中で見かけるだぼっとしただらしのないロングスカートやカジュアルスタイルにも全く興味が持てない。

世間の云うところの「かわいい服」が私にはまったくかわいいとは思えない。

私が本当に着たいのはコンサバティブ全開に振り切ったお洋服で、世間体から見ればおばさん向けのものばかりで、おそらく周囲の誰にも理解してもらえない。

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学生の頃、同級生にこういう格好をしている女の子がいて、彼女にいたく憧れたものだった。また家族で菖蒲を観に行ったときに、中国人とおぼしき方がこういうワンピースを着ておられたのだけれど、その場がぱっと華やいでいたのを覚えている。

20代の頃は憧れるばかりだったけれど、30代になった今だから着られる服だとも思う。

ヒールもコンタクトも必須だし、時にはこういう格好をしたいというレベルなので、普段着にはしないけれども、それでも欲しい。

自分が顔タイプエレガントと知ってから、それまで憧れていたものに一歩近づけた気がしたのだった。

 

髪型も縮毛矯正はやめて、ゆるいウェーブがかった地毛に戻したい。中学生の頃から縮毛矯正をかけつづけてきて、いい加減疲れている。

できれば髪をもっと伸ばして、より顔タイプエレガントに似合う髪型にしたい。

そう思っても主人からも実母からも前髪ぱっつんボブがいいよと云われるので参ってしまうのだけれども。毎回4時間椅子に拘束されて、縮毛矯正をかけつづけねばならない身にもなってほしい。

いつまでも子供扱いされているのだと思うと少々やりきれない。

ここにも少なからず桎梏がある。何度髪を伸ばそうとしても母親に阻止されつづけて文句を云われつづけてきたし、結婚しても同じように髪を伸ばせないのかと思うとつらい。

たかが人の髪型のことだから放っておけばいいことなのに、私自身よりも周囲の人の方がよほどこだわりたがるのに疲れている。

 

 

それから主人と夕食を摂った。

いつもはアニメを観るのだけれど、会話をすることでも分泌される幸せホルモン「オキシトシン」が欲しかったので、積極的に話題を振った。

すると主人にアルファブロガーのブロガーの方がKDPを積極的に出版していることや、ブログを通じて私自身が社会とつながっている意義について語ってくれた。

ブログという場を見つけて活動していることを評価してくれて、とてもうれしかった。

KDPとして出版する予定の図書館エッセイ本『図書館という希望』の作業は途中で止まってしまっているので再開させたい。

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弱っていると小説を書くどころではないけれど、校正ならば感情をほとんど消費することなくできるので、これから取りかかりたい。

既刊の散文詩集二冊もよろしくお願いします。 

挽歌-elegy-

挽歌-elegy-

 
真珠姫の恋

真珠姫の恋

 

 

そのあと部屋に帰って十年以上にわたって愛聴している「凛として時雨」を聴きながら短歌を詠んだ。こういう時にはサディスティックな音楽ですべてを消し飛ばすに限る。

Sitai miss me

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Missing ling (remastered at METROPOLIS)

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Enigmatic Feeling

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そして昨夜のことになるが、文京区コラボの歌仙兼定のクリアファイルを飾った。

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短歌を今後とも詠んでいきたいという意気込みと、守り神のような加護を願ってのことだった。手持ちの額縁に収まったのでひとまずほっとしている。

このクリアファイルは原画も素晴らしくて手に取ってしばらく保管していたのだけれど、こうしてまた日の目を見て良かったし、何より私はこのイラストの歌仙兼定が一番好きなので、手元に飾れるのが本当に喜ばしい。

とにかく日々歌を詠み、創作をつづけていく他に私の生きる道などないのだろう。