ここのところ主人がゴールデンカムイにつづいてワンピースを踏破したことに影響されて、主人が先んじて読み終えていた『鬼滅の刃』を読みはじめた。
アニメ版を立志篇、無限列車篇まで観ていたので、その復習から入る形になった。
ひとまず5巻の那田蜘蛛山篇まで読んだのだけれど、那田蜘蛛山篇は何度触れてみても泣かずにはいられない。
累というキャラクターを通じて、炭治郎と禰豆子の家族の絆の強さと愛を描くという構図があまりにも見事で感情を揺さぶられてしまう。
正直なところそれまでのエピソードは、炭治郎の丹念な心理描写という点でアニメの方が勝っているなと感じるのだけれど、それも原作あってのことなので、引き続き読んでいきたい。
家族というものの善性を無条件に信じることが難しい現代において、あまりにも強いメッセージを訴えかける作品であることは間違いない。
そういう点で私はやはり禰豆子が好きだし、禰豆子が珠世さんを抱きしめるシーンも何度触れてみても胸が熱くなる。
鬼となってもなお人間を傷つけず、人間を守ることを自分に課し、それを実行しつづける禰豆子はとても強いキャラクターだと思う。ある意味炭治郎以上に。
主人の推しは胡蝶しのぶだということなので、彼女のエピソードも今から楽しみだ。
アニメ版では彼女は姉の遺志を継いで鬼殺隊に入ったということが語られていたけれど、そこでも軸となるのはやはり血縁で、私にとって鬼滅の刃は改めて血縁関係の善性と、アイデンティティのよりどころとなるたしかさを与えてくれた作品なのだと思った。
思い返せば母と対立して自殺未遂をした18歳の時には、家族や血縁というアイデンティティを信じられず、そこから何とか脱しようともがいていた時期と重なる。母もまた私を引きはがそうとしたし、あの頃はお互いにとって最もつらい時期だった。
自由を求めて死ぬのがいいかと云われると、私はもうYESとは到底云えない。
そして結婚してふたたびアイデンティティが揺らいだことは先日書いたけれど、それでもやはり私のアイデンティティは実家や、育ての親である祖母とともにあることをここのところ実感している。
結婚をしても完全にそこから離れるわけではないし、主人を大切にして新たな家庭を築くことを目指しながらも、根を張っている血縁という関係性も重んじていきたい。
そういうわけで結婚式の両親への贈り物に、子育て感謝状を選ぶことにした。
子育て感謝状 木製レーザー刻印 限定アレンジ「ペールオレンジ」 | 結婚式アイテムの通販【ファルベ】公式
母はイエベ春なのでこのお色を選んだ。
植物が好きな人でもあるし、インテリアとも調和するのではないかと思う。
気恥ずかしい思いもあるけれど、やはり記念に残るものを贈りたいという想いがあって、このお品を選べて良かったと思う。
それから主人と夕食を摂ったあと、嘉村詩穂名義で書いた「ニライカナイ」を佳作として採っていただいた、詩誌『ココア共和国』を確認したところ、齋藤貢先生絶賛、秋吉久美子先生から「こりゃいいね!」をいただいていた。
初投稿で選んでいただいて、さらに評価していただいて、大変うれしい。
ここまでさまざまな経緯があって、小説を書くことにドクターストップがかかったり、詩歌サークルを主宰の人と折り合いがつかずに離れざるを得なかったり、人間不信に陥ったりと、さまざまな苦労があったけれども、ようやく報われた気がした。
そのお祝いを兼ねて、大好きなSolarisさんのペン原画をお迎えすることにした。
カトリックからはすっかり離れてしまったけれど、創作のインスピレーションをたくさん与えてくれるものでもあったし、カトリックと保守思想とは相性も良い。私のルーツのひとつであるカトリックの精神も今後とも重んじていきたい。
神道というアイデンティティはこの先しばらくは揺るぎそうにないので、この頃のようなディスプレイにはなかなかできないかもしれないけれど、先にお迎えした複製原画とともに飾れればいいなと思う。