ANIRON

ひとりごと日記

2021.12.24 祝祭と本と

イヴだった。詳細についてはまた別途こちらのブログに書くつもりでいるので、この記事では今日一日の振り返りとして書きたい。

snowrabbit21.hatenablog.jp

ここ数日というものの、心療内科への放火と神田沙也加さんの自死という二つの事件が頭から離れずにいたのだけれど、クリスマスという行事はそれすらも忘却の彼方へと追いやってしまう。

忘却がなければ私は到底生きていけないので、自分が並大抵の人よりも忘れっぽいのはありがたいなと思う。

祝祭というものが共同体を維持するために必要不可欠なものであったのは、祝祭が「浄め」という効果を持つからなのではないだろうか、と昨年のこの時期もちょうど全く同じことを考えていた。

日本における「浄め」の象徴である皇室を頂点として、さまざまな行事が中止となり、あるいは延期となる中で、この「浄め」の機能は失われつつあり、「穢れ」が浄化されないまま停滞すると、不可解で忌まわしい事件が起きてしまう。

いささか右傾化したイデオロギーに染まった捉え方だという批判は免れないにしても、歴史学民俗学の観点からするとそのようなことも云えないわけではない。

ちょうど昨年のこの時期に浄め/穢れにまつわる本を読もうとしていたのだが、あいにくと買うところまでも行かなかったことを思い出す。今年こそ読んでみてもいいかもしれない。

無論穢れという観念が差別意識と分かち難く結びついているのは確かなことだし、この方面を攻めるとなると、さまざまなセンシティブな課題や問題が出てくる。去年はそのことに気後を感じてしまったのだった。

しかし二年もつづけて同じ仮説に行き着くのだから、これはなんとか実証してみたい。

個人的なレベルの話になるが、私自身もまたこのクリスマスイヴという祝祭によって、うつがいくらか軽減したのは確かだ。少なくとも今日一日は比較的楽だったということだが。

家族というものも共同体の一つだし、私はどちらかというと日常を愛する人間ではあるのだけれど、こうした祝祭の要素は大切にした方がいいのだなと感じた一日だった。

世界の隅の、日本の隅の、さらにその隅の隅で生きているような私にも、祝祭は必要なのだ。

 

そういうわけで隅の隅でクリスマスを祝った。

昼間に買ったケーキをルピシアティーブレイクとともにいただき、主人と文学談義をした。

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今年はドストエフスキーの生誕200年に当たるのだという。

主人は五大長編のうち、あと読んでいないのは『未成年』のみを残すばかりとなったと云っていた。光文社から新訳が刊行されるというので、完結を待って読破するつもりだという。

私はドストエフスキーは『カラマーゾフの兄弟』しか読んでいないモグリで、今は大長編に挑める体力もないので、ただ感嘆の念を漏らした。

私が挑みたい長編はリンボウ先生訳の源氏物語で、10万円の現金給付の際に揃えたのだが、2巻の途中で止まってしまっている。

しかしいずれはやはり挑みたい。日本文学の源流にある源氏物語に触れなければ、真に日本文学のことを理解することはできないのだろうと思う。

以前大和和紀あさきゆめみし』を途中まで読んで、光源氏に強く惹かれ、藤壺とのカップリングがとても気に入ったので、それをモチベーションに挑みたい。

とはいえ読みたい本というものはおおよそ定まらない。読みたい本を挙げればキリがないし、フィーリングで乱読を楽しむ人間なので、今気になっているのは外山滋比古『乱読のセレンディピティ』や、積んでいる穂村弘の書評エッセイ、遠藤周作といったまるで取り留めもないほんの並びばかりだ。

定家も深掘りしなくてはならないし、大手拓次もしっかり読まねばならない。彼の詩を読むのであれば、やはりボードレールも読みたい。

そうして規則性のない乱雑な読書をしているので、なかなか読書目標に沿った読書ができなくて困っている。

いや、この冬はゴシックを攻めると決めたのだった。その類の本を並べて、これらの本を読み切るまでは浮気はするまいと思っていたのだ。

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今のところ読んでしまった本は以下の三冊だが、さらに読み進めなければならない。

しかし本というものはつながっていて、そのつながりに導かれるままに次の本を読む醍醐味に比べれば、読書計画がなんだというのだという気持ちにもなる。

やはりその時々で読みたい本を選んで気ままに読む喜びにはかなわない。

主人とはそこまで話したわけではないけれど、本の話をぽつぽつとして、いよいよクリスマスプレゼント交換となった。

主人が贈ってくれたのは、籐製のマガジンラックだった。

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私がここのところ「雑誌を読むと癒されるんだよね。なかなか美術館や画廊にも行けないし、ビジュアルのある本を読みたくて」としきりに話していたのを汲んでくれたようだ。

ひとまず&premiumの雑誌を並べたところ、商品紹介のページにも&premiumが採用されていたと云うのでうれしくなった。

気になる雑誌は他にも色々とあって、和樂などは写真も見応えがあるし、暮らしをテーマに暑かったムック本なども好きだ。

さらに読書の幅が広がりそうな、素敵なプレゼントをもらって、本当にいいクリスマスイヴになったと感謝している。