一時期リアルタイムで観ていたのだが、ここのところNHKオンデマンドに加入して、やまと尼寺精進日記をひとりで観ている。
かねてから大好きな番組で、終わってしまったのが心から寂しいと思っていたのだった。
三人で作るご馳走や、料理を作る様子そのもの、山深いお寺での日々がほのぼのとしていて、とても心が癒されるドキュメンタリーだ。
夕食を担当していた時期、病を押してふらふらになりながら台所に立ち、一汁三菜の料理を作っていた時にこの番組と出会い、ずいぶんと心を励まされた。
そして「まっちゃんが着ている作務衣はいいなぁ。私も着てみたいな」と思いながらも、恥じらいが勝って買えずに一年が過ぎ、二年が過ぎた。
先日、洋服が嫌いだという記事を書いた。
思いのほか読んでいただけているようで、ありがたいのだけれど、やはり気恥ずかしい。
漢服を買うことをしばらく検討してみたのだけれど、どうしても洗濯という一点で日常着にするには難点があり、また春夏ならともかく、冬服は素材が薄そうだし、冬場は寒そうだという問題があり、悶々としていた。
春夏になったら漢服を着ることを検討したいけれど、当面着るものには困ってしまう。
そこでかねてから着てみたかった作務衣が改めて候補として浮上したのだった。
比較的廉価なものを試しに買ってみることにして、こちらの品を選んだ。ブルベ冬ということもあり、色は小豆色にした。
着物と違って難しい着付けもいらないし、体を締め付ける帯もなく、廉価ということもあって髪を結い上げる必要もなさそうだ。
まずは一着買ってみて、気に入ったら洗い換えを買い足してもいいだろうと思う。
これを着て外に出る勇気はなかなか出ないけれど、家の中で過ごす分には快適そうだし、家事にも身が入りそうだ。
そういう旨のことを主人に話したところ、主人も乗り気になって「俺も着たい」と検索した男性用の作務衣の画像を見せてくれた。
夫婦で作務衣を着る……というのはなかなか妙なことだが、変わり者の夫婦らしいといえばらしいのかもしれない。