ANIRON

ひとりごと日記

2022.04.06 住宅ローンの事前審査に通りました&創作のこと

正直なところ不安の方が大きい転居ではあったのだけれど、夕方に主人から無事に住宅ローンの事前審査に通ったというLINEが送られてきた。

家賃も今とさほど変わらない値段で暮らせるとのことで、ひとまず今すぐに働かねば生きていけないという状況でもないので、ほっとしている。

31歳での契約ということもあり、35年ローンを組めたのは大きかった。コロナ禍の直前に、FPの先生に以前相談したときにも、そろそろ家を買うといいですよと云われていたので、今回思いがけず即購入という形になったけれども、無理のない範囲で返済していけると思うと、肩の荷が降りた。

私にはメンタルの持病があるため、今後とも子供を産む予定はないし、贅沢をしなければ引き続き今まで通りの暮らしができると考えている。

そうはいっても昼間の時点ではまだわからなくて、引越しに伴う不安感も強く、ほぼ一日ダウンして過ごした。

仕方がないので短歌を詠み、今の住まいから離れる侘しさを歌った。

気持ちに寄り添ってくれるのは結局のところ自分自身だけなのだということは、長い闘病生活の中で常々感じてきたことで、だから私はこの場を除いては極力ネガティブなことを公にしないようにしているのだけれど、歌を詠んでいたら幾らか気が晴れた。

短歌の力はすごいなと思う。どのような思いをも受け止めてくれる器がそこにあると信じるだけで、心が救われる思いがする。

誰にも見せることなく、そっと秘密を打ち明けるように歌を詠んでいると、おそらくいずれ消えてしまうものばかりなのだけれど、それでもシモーヌ・ヴェイユやエミリー・ディキンソン、宮沢賢治といった先人たちを思わずにはいられない。

その一群に私が加われるとも思えないけれど、それでも細々と短歌を詠みつづけられればと思う。

それから朝日新聞の記事を幾らか読んだ。中でも中西進先生の記事は興味深かった。

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さらに言えば、陽と陰、プラスとマイナスをくり返すのが万物のありかたですから、死は必ずしも悪いものではありません。生のなかに死が含まれ、死のなかに生が含まれる。これが万葉びとの死生観だったようです。

 恋するに死(しに)するものにあら

 ませばわが身は千遍(ちたび)死(し)にか

 へらまし

 (恋に苦しむと死ぬものだったら、私の体は千度もくり返して死んでいるだろう。それほどの恋だ)

 夕べ恋人のもとに忍んで通っても、朝が来ればまた離ればなれ。また逢(あ)える夕べが待ち遠しい苦しさで死んでしまう。それを千度もくり返すだろう、というのですね。

 現代の私たちは、西洋風の生と死を対峙(たいじ)させる考えに慣れていますから、生者がそこを越えたら途端に死者となり、二度と越えられない境界を思い浮かべます。

 しかし、万葉びとにとっては、死は生にもともと含まれるものですから、嫌悪の対象ではありません。それゆえに、恋人のためにくり返し死ぬだろうという、死にある種の美を見いだす感性が生まれるわけですね。

この心性はかなり私自身に近いものを感じる。

転居する先は墓地が近いため、おそらく詩歌を作るスタンスにも大きな変化が現れるのではないかと期待半分、恐れ半分と云ったところなのだけれど、そうして死と隣り合わせのところで生きてきたという実感がメンタルを患う私にはあって、その心性を詩歌に歌いたいとも思う。

万葉集中西進先生の『万葉の秀歌』を通読したこともあり、浅くではあるけれども一応通ってきた。

引き続き短歌を詠むこと、詩を書くことを通じて、そうした心性を描いていければと思う。

また朝日歌壇にも目を通した。

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「ただいま」と「いってきます」と手は振れど手を合わせられぬ写真の君に(横浜市)日比みき

ロシアの兵ウクライナの兵前線の兵の誰にも母がいること(観音寺市)篠原俊則

「モスクワに反戦デモ」の小記事を切り抜いて読む救いのように(蓮田市)斎藤哲哉

手始めに線量測る畑(はた)仕事十二年目の福島の春(須賀川市)近内志津子

一杯の紅茶とパンに涙する捕虜となりたるロシアの兵士(観音寺市)篠原俊則

キエフでの総動員令で蘇る学徒動員出陣の雨(三鷹市)山縣駿介

手をひかれ人形抱いて歩む子の吐く息白く国境遠く(堺市)芝田義勝

いずれもウクライナ情勢を詠みながらも、その眼差しの切実さが光るのを感じた。

おそらくただ祈るばかりではこと足りない、そのニュースを見る目線にも、やむにやまれぬ想いというのがあって、その想いが歌を通じて表れているということが大事なのだろうと思う。

自分が作歌を続ける上でも、また詩作をする上でもとても参考になるなと思ったのだった。

まだまだ私は拙い作品しか作れないけれども、今後とも精一杯励んでいきたい。