ANIRON

ひとりごと日記

2022.08.20 少女終末旅行とセイメイと

折本「凍蝶の弔い」宣伝

新たに折本版「凍蝶の弔い」をDLしてくださり、ありがとうございます。

またブーストもいただき、心から感謝申し上げます。

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中里介山大菩薩峠』の主人公・机竜之介にフィーチャーしたオマージュ散文詩作品集。
和風ホラーや耽美な作風がお好きな方におすすめしたい作品集です。

もう幾百人の血を吸った懐刀も錆び果てて、我が身も朽ちると思えば侘しさよりも虚ろさが募るばかりで、枯野の向こうに迫る夕日に我が身を焦がしてしまいたかった。──「凍蝶の弔い」

 

-収録作品-
初秋、修羅は往く。
修羅桜
妖魚譚
凍蝶の弔い

お買い上げくださった方が折本を折ってくださって、Twitterに写真を載せてくださったのもとても喜ばしく感じております。

引き続きよろしくお願い致します。

それからBOOTHのカテゴリーを散文詩と短歌とに分けました。

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写真を使った表紙のため、分かりにくい点もあったかと思いますが、これで少しでもお手にとっていただけやすくなればと思います。

 

2022.08.20

実は主人が春に検査したN-NOSEに引っかかって、このたびPET-CT検査を受けることになり、昨日がその当日だったので一日中気落ちしてしまった。

折本を作ったのは、少しでも気を紛らわせるためでもあったのだけれど、作業している間はともかく、それからしばらく何も考えられなくなってしまい、本を読み返したり、『少女終末旅行』5巻を読んだりした。

人の残した美術と記憶、そして人工知能の死。こうして様々なものが滅んでいくことを救済と見ようとは私は思わないのだけれど、それでもそこに確かなカタルシスがある。
もはや現代は終末世界になりつつあるし、その中にどれほど残したい記憶があるのだろうと思ってしまった。
人間の作ったもので構成されたこの物語の世界はあまりにも歪で、そして悲しい。そこに自然はほとんど描かれない。例えば魚はその象徴的存在ではあるけれど、それすらも食されて消えてしまう。その空白がこの作品に通底する悲しみであり、虚しさなのだろうと感じた。
そして人工知能が二進数で詩を書いているという描写に、詩を書く人間としてやはり惹かれずにはいられなかった。原初的な言葉としての詩というジャンルを選んだ人工知能には、おそらく人の残した最後の希望と、そして深い悲しみが託されていたのだろうと思う。

人工知能の書く詩は「ほろびのうた」だった。

呪詛としての詩、あるいは嘆きの歌としての詩を私もまた書いてきたから、強いシンパシーを抱かずにはいられなかったのだけれど、彼女の書く詩の行き着く先が「死」であったことは、今の私にとってあまりに重い意味を持っていた。

死をもって到達できる詩もおそらくあるのだろう。例えば三島由紀夫などはその例だろうし、そこまでヒロイックにならずとも、文章や詩を書く人間の最期は、多かれ少なかれ、おそらくその死をもってしか完結できないものなのだろうと思う。

とはいえ萩原慎一郎のように、惜しくも志半ばで絶たれてしまった命もあるし、彼の死は私にはあまりにも理不尽に感じられてならないけれど。

ただ、この漫画からは離れたところで語ることになるけれど、個人的には死をもって完結することを是としたくはないし、ともすればそちらの方へと転んでしまいかねない人間だからこそ、なんとか踏みとどまらなければならないとも思う。

別にこの『少女終末旅行』が死や滅亡を賞賛しているとは思わない。ただ、死や滅びゆくものを美的に描く、あるいは諦念をもって描くことの意味は、今まさにコロナ禍が席巻し、ウクライナ情勢が緊迫している世の中にあっては、その重みを失ってしまう。

誰もが失意と諦念の只中にある今、この漫画に触れることは、自助グループに加わるような安堵感を感じさせるし、私自身もそういう気持ちでこの漫画を読んでいるけれど、かといってそこに安住してばかりもいられないのだろうと感じる。

根本的に私はジブリ的な考え方をする人間なので、やはり生命の尊厳を信じたいし、命あるものは美しいと思いたい。たとえ心身が病んでいたとしても、清く明き心を保っていられるようにしたいと願っている。

とはいえ、それは私の感じたことであって、この作品全体において死の重みが損なわれているのは、それが自然から完全に切り離されているところにあるからなのだろう。

だから唯一自然とつながっている魚の死だけが延々とこの漫画全体を通じて意味を持ちうるのだ。

その自然と人工という問題については、やはりもう少し突き詰めて本を読んだりして考えていかねばならないと思う。

先日、注文していた養老孟司の本が届いた。

追って読んでいきたい。

養老孟司の思想はYoutubeで断片的に触れていても、やはり私は古い考えの人間なので、本で体系的に読みたいと思ってしまう。

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ここのところ読み差しの本がずいぶんと増えていて、なんとか日々読んでいるものの、体感としては少しも量をこなせている気がしない。

積んでいる本も増えてきたし、そろそろ本腰を入れて読書に励みたいと思う。