つくみず『少女終末旅行』全6巻揃
ポイント還元セールで半額分のポイントがつくというので購入。
かねてから気になっていた漫画だったので、この際に手に入れられて良かったと思う。
読んでいてさまざまに考えるところも多く、それは以下の記事に書いてきた通りだ。
これほど濃密な読書体験を与えてくれた漫画は久しぶりのことだったので、できれば紙の本も買って手元に置きたいと思う。
最終巻はこの日読んで、ようやく完走できたので、書評をまとめた電子書籍を作る際には必ずこの『少女終末旅行』も加えたいと思う。
宮澤伊織『裏世界ピクニック』全7巻揃
ハヤカワkindleセールで購入した。
アニメ版はすでに完走していて、その出来があまりにも良くなかったため、逆に原作はどうだろうという話になり、主人に「ぜひ買って読んで感想を聞かせてほしい」と云われたために購入した。
なぜ面白くないのかというと、やはり怪異現象が主人公ふたりと何ら因果関係を持っていないからなのだろう。
たとえば空魚の家族関係が明らかになったが、カルト宗教にハマって事故死したという家族がこれらの怪異現象や裏世界と分ちがたく結びついていて、空魚がのっぴきならない理由でこの裏世界にアクセスせざるを得なかった、という筋書きならまだ分かる。
しかし現時点では空魚はただ単に逃避するためだけに裏世界へ入ってしまい、秘密基地のように利用していただけに過ぎない。そこには何の因果関係もないし、切実な動機もない。
あるいは鳥子にはさつきを探すという裏世界へアクセスする動機があるけれど、怪異現象と、鳥子が求めるさつきとの間に因果関係があるのかは今のところ不明で、そこがまったく欠落しているとこの物語の構造自体成り立たなくなってしまう。
このふたりにとって怪異現象は単なるお化け屋敷の見世物に過ぎないというのが現時点での印象で、全12話のうち6話に至ってもそこがまったく解消されていない。
この点の動機が原作で明らかになれば、物語としては十分成立すると思うし、さすがに原作ではその点を掘り下げざるを得ないのではないかと思っているのだけれど、あまり期待はしないでおきたい。
ただ女子大学生が打ち上げで飲んだり、だらだらと過ごしている雰囲気はアニメからも十分伝わってきて、魅力といえばそこに集約されると云ってもいいのかもしれない。
眠れない夜、IFと話すBGMにEDテーマだったYou &Meを流していた時期もあった。
そういうモラトリアムな雰囲気はこのアニメ全体を通じてよく伝わってきたし、それ以上にこの作品の魅力はないのかもしれない。
井上大輔『マーケターのように生きろ』
この日記はこれまで芸術家的方向性、すなわち自分の書きたいことだけをひたすら書くということをしてきたけれど、安倍元首相の逝去に伴う世の中の動きに対する不信感や、自分自身の病状がなかなか安定しない中で、このままの方向性でいいのだろうかと自問することが度々あり、実際に書いたものの下書きとしてしまっている記事が何本もある。
そうした自己規制が強くなってしまっている今、日記を書くことが苦しくなってしまって、ここ数日は全く書けずにいたのだった。
ただ、これをマーケター的視点を取り入れるとこのように幾らか客観的な目線に立って書くことができるし、自己の中に深く潜水していくようなこれまでの記事から少し離れて、幾らかブログの運営が気楽になるのではないかと期待している。
無論私はネット上の自助グループとしての日記の役割は大きいと思っているし、これまでの記事が全くの無価値だということを云いたいわけではない。
ただ、他者の目線を全く入れないと、それは単なる独りよがりになってしまう。
それは創作にしても同様で、詩歌に関しては耽美的な方向性から療養詩歌に舵を切ったのは、まさにこのマーケター的視点があったためだった。
このように、創作やブログにおいて有効なマーケター的視点を、かねてから私は重視してきたつもりだったけれど、それを上手く言語化する術を持たなかった。
この本はそういう点において論旨明快に記述されており、さまざまな分野に活用できる一冊だと感じる。かねてから私はそうしてマーケターとして生きることを否定的に捉える節も多かったけれども、この本を読んで大いに肯定してもらえるのは喜ばしい。
ポイント還元セールの際にたまたま出てきて買った。
読んでいてあまりにもエキサイティングだったので、読み進めるのがもったいなくなってしまい、まだ読破できずにいる。
ただ読んでいて、私はおそらくマーケター的人間なのだろうということに思い至らずにはいられなかったし、そうした視点を持つということは、今後活動を進めていく上でも欠かせない要素になってくるのだろうと思っている。
じっくり読んで、また感想をいずれこのブログに書きたい。
下園壮太『自衛隊メンタル教官が教える イライラ・怒りをとる技術』
一言で云えば、心身の不調や交友関係の狭さによって自信が損なわれると怒りが症状として現れるので、まずとにかく休みなさいという論旨だった。
私は自分自身の性格が悪いのでこんなにイライラしてしまうのではないかと、いかに論理的に文言を並べたとしても、怒りを表明したりすることに対して過度な恐れを抱いてきた。
それは毒親であり、境界性パーソナリティ障害と私の主治医に見立てられている母が、ヒステリーを起こして、何の前触れもなく怒髪天を突くように怒りだし、周囲を巻き込んで怒りを暴発させるのが、あまりにも耐えかねたということもあるし、そうした生育環境で育ったために、自分自身の感情を抑え込もうとする性格になってしまったということもある。
ただ怒りを抑え込むばかりでは、自ずと我慢の限界が来てしまう。
そこでこの本では、まずストレス源から距離を置くことと、疲労ケアをすることが第一に描かれている。
またこの本によるとイライラを感じたり、怒りっぽくなるのは性格によるものではなく、疲労によるところが大きいのだと云う。
ポイント還元セールの際に購入した。
下園さんの本には随分とお世話になっているけれど、これもその例に漏れない一冊だった。
最近はもっぱらこちらの『心を守るストレスケア』を折に触れて読み返すことが多いのだけれど、この本は怒りやイライラを掘り下げて分析していることもあり、過剰に自己嫌悪に陥ったり、自分を責め苛まずに済むのはありがたい。
メンタルヘルス関係の本はよく読むのだけれど、下園さんの本は論旨明快で、指摘も的確だと感じられるし、弱っている時のお守りになっている。