ANIRON

ひとりごと日記

2022.09.22 読んでいる本と宮沢賢治と

話は前後するが、9/22の日記を下記に記す。

前日の夜は4時まで眠れず、自分自身の詩歌の方向性がわからなくなってしまって悩みに苛まれた。

眠って13時ごろ起き、家事を片づけたあとは、ひたすら本を読んでいた。

生き方を探るために手に取った『暁の天使たち』は2巻に入った。

いかんせん説明描写が長すぎて途中で飽きてしまうのだけれど、シェラが前面に出ているパートはやはり読んでいて自ずと引き込まれる。

闇、太陽、月の神話の場面などは今後鍵となる物語なのだろうし、昨夜は随分と続刊のレビューを読み耽ってしまったけれど、まだ回収されていないところを見るに、この神話に準じて終幕へと向かうのだろうと感じた。

個人的にルウのことはあまり好きになれずにいるのだけれど、今後は彼のチート展開が待っているらしく、『暁の天使たち』で止めておこうかなと考えている。

とにかくシェラがどのようなスタンスで新世界へと入っていって、そこでリィやルウとともに生きていこうとするのかが私にとっては切実な問題であって、

“そんなお荷物になるわけにはいかない。この人が行くところには──それがどこであろうと──必ず同行できる自分でなくてはならない。当のリィにも話したことはなかったが、シェラが自分自身に密かに課した誓いだった”──p11

ということが示されている以上、これ以上の関係性の真価が現れることはないのだろうと思う。

そうした点では今後の物語でひたすら延々と日常が描かれることを考えれば、『暁の天使たち』以降の続刊は読まなくてもいいかなという気もする。

少しして、主人が帰ってきて宮沢賢治の書簡集『あたまの底のさびしい歌』を届けてくれたので、こちらも読んだ。

まだ、まだ、まだ、こんなことではだめだ。

──p101

 

苦痛を享楽できる人はほんとうの詩人です。

──p118

 

上のそらでなしに、

 

しっかり落ちついて、

 

一時の感激や興奮を避け、

 

楽しめるものは楽しみ、

 

苦しまなければならないものは苦しんで

 

生きて行きましょう。

 

──pp134-136

これらはそれぞれ別の相手に宛てた手紙だけれど、痛いほどに賢治の熱い想いや、自分の信ずるものに賭けた情熱が伝わってきた。

正直こんな手紙を受け取った人は困惑しただろうなという内容のものもあったけれど、賢治が人生を賭けて築こうとした理想の一端に触れた思いがした。

賢治の人生については100分de名著で読んだ程度だけれど、法華経という理想を掲げ、その理想に敗れてもなお、その胸に情熱を宿しつづけた人生を思うとき、やはり偉人だなと感じる。

主人に酔った席で絡まれて、心の友人のような作家はいるかと問われた時、私は迷わず賢治の名を挙げたのだった。

その作品のすべてにまだ触れられているわけではないけれど、やはり「よだかの星」や「ひかりの素足」などを読むと、賢治の思想は、例え私と方向性を異にしていても、真実を見定めようとする眼差しや、誰にも見せることなく黙々と物語を紡ぎつづけた情熱などが身に迫って感じられるのだ。

私もまた一年ほど非公開で詩歌を作りつづけてきて、その時の下支えとなってくれたのは賢治の存在だった。何度心が折れそうになったか分からないけれど、それでも賢治は灯りとなって私を照らしてくれた。

ここ二ヶ月ほどはもっぱら自分自身の病苦と向き合うのにも倦み果てて、新たな表現を模索しようとしてきたことは以前にも書いてきた通りだけれど、まだその苦しみから目を背けてはいけないとも思う。

覚悟を決めなければならない。まだまだ私の詩歌を鋭く研いでいかねばならない。

 

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-収録作品-
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妖魚譚
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