ANIRON

ひとりごと日記

2022.09.25-26 プロ詩人と自費出版という壁

短歌のことは把握していたのだけれど、詩に関しても新人賞に通っても自費出版で100万円以上の出費を経なければ商業配本で本が出せないことを無知蒙昧にして今更ながら知り、どうしたものかと思っている。

例え賞で誉を得られたとしても、商業配本で詩集が出せるかと云うと、専業主婦の身にはあまりにも高い金額だ。持病もあり、この先外働きに出て主だった収入源を増やせるわけでもないし、私が商業ベースに乗せて詩集を出すということはほとんど不可能に近い。

私がネットで拝見しているセミプロの詩人の方は、私家版の詩集を数多く手がけていらっしゃって、私も同じような道を辿ることになるのだろうなと思う。

ココア共和国に投稿しつづけて仮に賞を得たとしても、詩集が出版できる見通しは立たない。ならば、これまで投稿した成果を励みとして、せいぜい私家版の詩集を編むべく励むほかないのではないかと思う。

要するに趣味の範囲で作るほかないということになる。

以前、小説講座の講師の先生に、作家になるか詩人になるか、進路に迷っているという話をしたところ、詩人では生計が成り立たないから、作家を目指しなさいと云われたのだった。

詩人で生計を立てられるとはその時点から思っていなかったけれども、その土俵に立つことすらできないことを考えると、世に出ることを第一とするのであれば、ここで方針転換をして、再び小説の道を歩まざるを得ないのだろう。

ただし私には先述したように持病があり、職業として作家をやっていけるだけのリソースがもはやないし、小説の道に戻るとは云っても、小説とは仲違いをして適応障害を発症した身なので、もはや戻れるとも思えない。

それに例え商業ベースに乗せられたとして、それで果たして詩集が捌けるのかというと、今度はさらに新たな問題が生じることになるが、そもそも商業的に成功したいのであれば詩歌を選ぶ道理はなかったし、それで主だった収入を得たいとも思っていない。それはほとんど不可能なことは自明のことだからだ。

ただ、エミリー・ディキンソンのように、あるいは宮沢賢治のように、例え非公開で詩を書いていたとしても、どこかで受容される場がほしいと思ってしまうのは致し方のないことだと思う。

宮沢賢治は『春と修羅』で自費出版をして爆死したけれど、私も同じことができるかと云うと、そう無鉄砲なことはできない。

せいぜい私家版として詩集を刷って、身の回りの人に配る分だけを刷るか、20〜30部ほどを刷って頒布するのが関の山だと思う。電子書籍でも詩集を出してきたけれど、『挽歌-elegy-』『真珠姫の恋』に続く第三詩集を編むこともそろそろ検討してもいいかもしれない。

罪人の冠を頭にいただき、人の子を惑わしたすべての女の恨みを纏って、私は消えてゆく。
嘉村詩穂の個人詩集。 個人サイト「紫水宮」と主宰している文芸サークルかもめのweb文芸誌「かもめソング」に発表した詩に、書き下ろしを加えた散文詩集です。
耽美主義を掲げ、表題作となった「挽歌」を中心に、主に和風・東洋風の幻想的な詩を収録しています。

-収録作品-
マディソン

逝春(せいしゅん)
よみひとしらず
或神話研究者の最期
挽歌
或楽師の書簡
緋鯉抄
調香師の終末
秋菊
夕波千鳥
秘仏
雪女郎
墨色の使徒

耽美主義を掲げ、SF・中華幻想・仏教、そして著者のふるさとへの憧憬をテーマとした、第二散文詩集です。
以下の十編の詩を収めています。

-収録作品-
青磁の爪
白狐譚
鶯姫
エリザベート・バートリの末裔
いにしえのうた
最後の手紙
人体標本
真珠姫の恋
補陀落渡り

そう考えると、今までやってきたこととそう変わらない。変わることはプロ詩人という箔が付くかどうかであって、私はその名誉を得たいと思ってきたけれど、その関門を突破できたとしても、上記の問題が待っている。ならばこれ以上投稿をつづけても、結果は目に見ているということになる。

一旦公募への投稿を止めて、自分の詩とじっくり向き合いたいという気持ちもある。このままの方向性で行けば、ある程度詩壇なり歌壇からの評価をいただけることは分かったけれど、もう少し方向性を模索していきたいということは以前にも書いた。

詩のあり方を模索する中で、ふたたび壁にぶつかることもあるかもしれないが、今後とも詩歌について、このブログを通じて考えを深めていきたい。

 

BOOTHにて折本詩集『ねむれるものにはすみれの花を』を頒布中です。

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群れ咲くすみれ色の花々だけをおまえのねむれる瞳に贈る──。

人を狩る吸血鬼×眠りつづける吸血鬼の全年齢向け創作BL連作散文詩集。 耽美主義に再び回帰することを志向し、その思想をベースとした、嘉村詩穂名義の第一詩集『挽歌-elegy-』、第二詩集『真珠姫の恋』につづく詩のあり方を志した、連作散文詩4編を収めた詩集です。

-収録作品-
エリザベト・バートリの裔として
ねむれるものにはすみれの花を
人形師の恋に寄せて
やがてめざめる、春の世にて

既刊と併せてぜひお手元でお楽しみください。

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中里介山大菩薩峠』の主人公・机竜之介にフィーチャーしたオマージュ散文詩作品集。
和風ホラーや耽美な作風がお好きな方におすすめしたい作品集です。

もう幾百人の血を吸った懐刀も錆び果てて、我が身も朽ちると思えば侘しさよりも虚ろさが募るばかりで、枯野の向こうに迫る夕日に我が身を焦がしてしまいたかった。──「凍蝶の弔い」

-収録作品-
初秋、修羅は往く。
修羅桜
妖魚譚
凍蝶の弔い