ANIRON

ひとりごと日記

2022.11.28 それでも前を向きたい

ここのところ毎日「生きるのは疲れたな」と思う。積極的に死にたいわけではないのだけれど、実家のことや、対人関係の問題も重なって、何もかもが摩耗していくのを止められない。

主人と冴ゆとの暮らしを守ると決めた決意は揺らがないけれど、それでも月経困難症を抱え、メンタルの持病がそれに伴って悪化していて余裕がない。

そうした中にあって詩を書くことは私にとってかけがえのない支えとなっている。両親のことは詩には書かないけれど、だからこそ視点を逸らすことができるのかもしれない。友人のことは詩に書いて、感情がまとまらないまま濁流となっているのを、「海」へと流すことができたのではないかと思う。

気づけば海の詩ばかり書いている。海だけが私を拒まない。命すらも攫ってしまうような力に満ち、母性に満ち足りて、私は結局のところ海に帰りたいのだと思う。それが叶わないからひたすら詩に海を書く。

学生時代、ひとりでふるさとの海の浜辺を歩いていたら、身投げと間違えられて漁師に声をかけられたことがあったなと思い出す。あながち間違いではないけれど、あの時ふるさとで死んでいたら、こんなに苦しむこともなかったのだろう。岸辺で揺れていた名もなき黄色い花の一群を今でも覚えている。

ふるさとにはもうおそらく帰れないだろうし、そうして故郷に焦がれながら、統合失調症を発症し、ついに帰郷が叶わないまま亡くなったカミーユ・クローデルを想う。

私もまた海から遠く隔たったこの土地で死んでゆくのだろう。それがいつになるのかはまだわからないし、少なくとも今は積極的に死を選ぶ覚悟もないのだけれど。

ただ感情が摩耗しすぎていて、これが悲しみなのか、苦しみなのか、それとも怒りなのかよくわからない。そのどれともつかない感情がない混ぜになっている。そうして生きるのに疲れたと思ってしまう。統合失調症になって13年、この間ただひたすら苦しかった。

今日よりも明日、明日よりも明後日と体調が悪化していく中で生きながらえていくのは容易ではない。絶望に塗り込められて、それでもなんとか足掻いていないと沈んでしまいそうで、特に今月、それもここ数日はとても苦しかった。

詩を書くことを心の支えとしてなんとか生きてはいるけれど、詩を書くことをやめてしまったら、私はおそらく生きてはいられないだろうと思う。

積極的に詩を選んだというよりは、詩を書かねば明日を生き延びられないから詩を書いているのかもしれない。

そうして鬱々としていると、BOOTHにて詩集をお手元にお迎えいただいた旨の通知が届いた。

 

こうして読者の方々に詩が届いていると実感できることが今は何よりも嬉しく、ありがたいと感じている。

折本ばかり作っていて、そろそろ飽きられてしまうのではないかという危惧もあったのだけれど、こうしてお力添えをいただけたことで、新たな折本を作りたいという気持ちが湧き上がってきた。

第三詩集についてはまだまだ遅くなるかもしれないけれど、折本は今後とも精力的に作っていきたいと考えている。

既刊の散文詩集もよろしくお願いします。

耽美主義を掲げ、SF・中華幻想・仏教、そして著者のふるさとへの憧憬をテーマとした、第二散文詩集です。
以下の十編の詩を収めています。

-収録作品-
青磁の爪
白狐譚
鶯姫
エリザベート・バートリの末裔
いにしえのうた
最後の手紙
人体標本
真珠姫の恋
補陀落渡り
地獄の白百合

罪人の冠を頭にいただき、人の子を惑わしたすべての女の恨みを纏って、私は消えてゆく。
嘉村詩穂の個人詩集。 個人サイト「紫水宮」と主宰している文芸サークルかもめのweb文芸誌「かもめソング」に発表した詩に、書き下ろしを加えた散文詩集です。
耽美主義を掲げ、表題作となった「挽歌」を中心に、主に和風・東洋風の幻想的な詩を収録しています。

-収録作品-
マディソン

逝春(せいしゅん)
よみひとしらず
或神話研究者の最期
挽歌
或楽師の書簡
緋鯉抄
調香師の終末
秋菊
夕波千鳥
秘仏
雪女郎
墨色の使徒

また商業誌に掲載される予定の小説についての詳細に目を通して、再び前を向く勇気をいただくことができた。

何かと弱ってしまう日々が続いているけれど、着実に成果は残せていると信じて、今後ともひたむきに進んでいきたい。