ここのところ「求められていることに応じる」ということについて考えている。
それは必ずしも自分自身の意に沿う形で求められるわけではないのだけれど、やはり「求められている」ということ自体に重きを置きたい。
仕事のモチベーションがなかなか上がらない朝もあるし、不調で眠れない夜もあるけれど、それでも「求められていること」に応じたいという気持ちは強い。
自分自身の手で何かを成し遂げなければ意味がないと思う気持ちもある一方で、それでは自ずと限界があるし、職人的に文章を書いていくこともまた一つの技術だと思いたい。
仕事で自己実現をしようなどと大それたことは考えていないけれど、それでも万年仕事と縁がない生活をしてきた私のような人間にとって、たとえピンチヒッターとしての役割を求められる仕事であったにせよ、仕事を振っていただけることはありがたいことだと思う。
ピンチヒッターにはピンチヒッターの役割があるし、永遠に暇をしていて、どんなに不調な時でも文章を読み書きできるぐらいしか取り柄のない人間にとって、そうした役割を担うことは、意義のあることだと考えている。
今日も病院を電話受診して仕事のことについて話し、「それだけ前向きに仕事と向き合えているのなら大丈夫」と褒めていただけた。長年にわたって「これ以上は減らせない」と医師に判断されて飲み続けていた薬も、ようやく減らせる目処が立ち、私に必要だったのは仕事だったのかと、今になって思い至った。
もちろん持病を抱えながら仕事をする厳しさは日々感じているし、時には午前中は休んで、午後から仕事をはじめるということも時々ある。それは在宅でブックライターをしているから叶えられたことで、ありがたいことだと思っている。
ただし、だらだらと怠けて仕事をしているわけではないし、〆切は全て前倒しで終わらせて納品してきている。今回いただいた案件も、一週間の〆切を待たずに終えることができそうで、その分きっちりと資料を読み込んだり、原稿を整えたりしなければならないが、おおむね滞りなく進められている。
仕事のやりがいとか、生きがいとか、報酬とかは二の次にして、とにかく次の仕事にありつけるかどうかに全てをかけているので、できるだけ先方の方と連絡を取り合いながら、仕事をこなし、こうしてその隙間を縫って文章を書いたり、詩を書いたりしている。
小説を書ける目処はまだ立たないけれど、それでもこの仕事の経験も必ずどこかで糧になると信じているから、今はひたむきに仕事と向き合おうと思う。
仕事のモチベーションが落ちてきた時には、自室の推しCPカラーの造花を眺めてエネルギーをチャージしている。
私はずっと推しCPの受けのように、主人のサポート役に徹しようと考えてきたけれど、専業主婦をしていたときよりも、微力ながらも経済的なサポートができることも加わって、自己肯定感につながったし、単なる夫婦関係というよりは、チームとしてのパートナーシップのあり方にシフトしつつあるなと感じている。
それは健全な形だと思うし、それぞれの職場で、それぞれの持ち場を持って支え合えることを今は嬉しく思っている。
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ブログ「広寒宮」で綴ってきた図書館にまつわるエッセイに書き下ろしを加えた、図書館エッセイ集です。
「もうひとつの家」としての図書館との付き合い方や、うつ病当事者としての図書館との関わり、一利用者から見たコロナ禍の図書館の記録、幼少期に通った図書館との思い出など、今だから読みたい内容をぎゅっとまとめました。
本書が図書館を愛するすべての人の友となりうることを心から願っています。
-収録作品-
図書館という希望
ふたつの棚
図書館という友人
ふたたび図書館へ一
図書館の使い方を模索する
コロナ禍の図書館について
蔵書の整理
ふたたび図書館へ二
先達の目とBANANA FISHにみる図書館の精神
図書館という知の海に漕ぎ出す
図書館で知を拓く
学校の図書室の思い出
非常事態宣言下の図書館
本書に登場した書物